こんにちは。
この記事にたどりついたあなたは、先生や上司から
「これって、有意があるの?」
「これって、差があるの?」
「これ、検定してみて。」
「検定の課題をやってこい。」
「QC検定受けろ!」
と言われたことでしょう。
でも検定とか有意差とか知らないですよね。(私もそうでした。)
そこで、この記事では一つの例を使って実際に検定をしてみたいと思います。
(今回使うt検定で適用できるのは、改善前と改善後の違いなどになります。)
さっそく例を挙げてみましょう。
部材Aを引っ張ると平均10秒で切れ、部材Bに変えて引っ張ると平均20秒で切れました。さて、部材を変えることによって切れるまでの時間は変わったでしょうか?
部材A:9.5秒、10.2秒、9.7秒、10.5秒、9.3秒、10.8秒、10.0秒
部材B:20.8秒、20.3秒、19.7秒、19.4秒、20.4秒、20.1秒、19.3秒、20.0秒
この問題を解いていきましょう。
実際はエクセルやRを使って解きますが、先生から「どうやって計算したの?」と聞かれると厄介なので、対策として途中式・計算式を記載したいと思います。
1.仮説を立てる
まずは2種類の仮説を立てます。
(Aの結果とBの結果は同じ)
(Aの結果とBの結果は違う)
AとBに違いがあるかどうかを検定したいときは、このように仮説を設定します。
もし、Bのほうがちいさくなったかどうかを検定したいときは、
となります。
つまり、は固定でのほうを自分が求めている方向に<>を付けます。
なのでBのほうが大きくなったかを検定したいときは、は固定で、
となります。
2.有意水準を決める
有意水準[α]は一般的に0.05とされます。
なんで?とは聞かれないと思います。
気にせず行きましょう。
3.棄却域を設定する
棄却域とは、有意か有意でないかの判定値です。
t表というものを使い、表に書いてある値よりも大きい・小さいで判定を行うことができます。
まずは棄却域の式からですが、
となります。
(ちなみに、A<Bで検定する場合は、
[tex:R:t_0≧t(φ_A+φ_B),2α]
A>Bで検定するときは、
[tex:R:t_0≦-t(φ_A+φ_B),2α]
となります。)
すでにα=0.05と決めているので、
ここまでできたらt表を使い、右辺を求めることができます。
(t表はネットで検索してみてください。)
φ()は13、P(α)は0.05のところを見て、
t表より、
=
になります。
がこの2.160よりも大きい値が出たら、有意があることになります。
次に、(統計量といいます。)を求めます。
ここで
となります。
何を書いているかわからないと思うので、それぞれ代入してみましょう。
つまり
なのでのVに0.277を代入して計算すると、
4.検定する
棄却域の式に代入します。
=
無事に成立しました。
よって、
を棄却し、
を支持するとなります。
つまり、
(Aの結果)と(Bの結果)は有意水準5パーセントで違うといえる
となります。